Nさんから届いた記事を転載します。
週刊金曜日の特集記事です。
真実が伝えられると都合が悪い者が出る一方、
捏造、偏向報道で被害を蒙る人が数多く存在します。
幹部が首相との飲食にノコノコと出かける、
日本の大手マスコミ記事は信頼できませんが、
Nさんが紹介する記事には覚醒させられることでしょう。
是非、お目通しください。
(転載)
今週の週刊金曜日「南京」と『慰安婦』が特集されている。
「歴史事実から逃走する安倍的ひとびと」です。
昨日BSテレビで
「踏まれた草に咲く花祖母は、なぜ『夜の女』救済に生涯をささげたか」
の素晴らしい作品があった。 涙を流しながら見た。
敗戦直後、焼け跡に放り出された女性たちはどのように生きたのか。
取材を進めていたディレクターはある日、
図書館で一冊の本に出会った。
「踏まれた草にも花が咲く」。
ページをめくると、祖母の写真があった。
祖母は、戦災で行き場を失くし夜の世界に
身を投じた女性を保護・更正する活動に生涯を捧げていたのだ。
いったい祖母を突き動かした情熱とは何だったのか。
ディレクター自身が肉親の人生をたどるセルフドキュメンタリー。
『売春防止法』を藤原道子議員とともに尽力するも法律が成立する直前に病没。
性奴隷でしかない売春に追いやられる女性の救済に生涯を捧げる。
その時『飛田新地』が出てきた。
日本国民を大切にしてこなかった日本人が、
海外でもっとひどい非人間的なことをしてきた。
安倍政権につながる人間は、それを真剣に考えようとしない。
1958年の売春防止法施行以後は、料亭街『飛田料理組合』となっているが、現在も転向以前の雰囲気を残している。
大部分の「料亭」は看板は料亭であるが、営業内容は1958年以前と何ら変わりがない。
表向き料亭に転向することにより、料亭内での客と仲居との自由恋愛という脱法行為として
売春防止法を逃れられたためである。
「日本外国特派員協会」での記者会見で橋下大阪元市長が、
「飛田料理組合」の顧問弁護士であることが暴露された。
橋下徹・維新の会共同代表による「慰安婦は必要」発言に端を発し開かれた日本外国特派員協会での会見。
その際、イタリア人記者からの質問に答えるかたちで、橋下が弁護士時代に大阪の歓楽街である
飛田新地の組合の顧問弁護士を担当していたことを認め、話題となった。
彼は公然と売春を認めていた人間で業者の側の弁護士であった。
悪徳弁護士の代表だ。
そうした人間であることが、日本の新聞では取り上げられない。
政治家である前に極めて悪質な人間であることを、
なぜ日本の新聞もテレビも追及しないのか。
狂った社会だ。(N)
同じ週刊金曜日に投稿したものが載りました。
同じ問題です。
漫画家の水木しげるさんが11月30日に亡くなった。
2011年8月に朝日出版社から出された
『福島原発の闇 原発下請け労働者の現実』は、
雑誌『アサヒグラフ』で1979年に
連載された記事とイラストを復元したものだ。
本文は『原発ジプシー』などを著した
ノンフィクション作家の堀江邦夫が主に担当し、
このイラストを水木さんが手がけた。
水木さんは本書で、原発で働く労働者の姿に、
戦争で末端の過酷な状況に追い込まれていた兵士だったと、
自分の体験を重ね合わせて描いた。
原子力発電所は戦前の炭鉱のあの劣悪な労働と変わることがないのだ。
東京電力の労働組合は、そうした下請け、孫請けとして働く
「原発ジプシー(労働者)」の労働環境に対して、
どれだけ改善に向けた努力をしてきたのだろうか。
手を差し伸べることなど、ほとんどなかったのではないか。
日本の労組の持つ問題点がここにある。
労働における格差社会を、拡大再生産してきた。
非人間的な労働を容認し、労使一体で原発を推進してきた。
非正規労働者の労働環境を見て見ぬふりをしてきた労組は、
自分たちの使命を果たしているとは言えまい。
非正規労働者の危険な労働環境は、人を人とも思わない、
消耗品としか考えなかった経営者と労組の責任だろう。
戦前・戦中の日本は、
自国に暮らす人々の生命や財産を大切にしなかった。
それ故、アジア諸国の人々の生命も、
財産も踏みにじることに痛みを感じなかった。
大日本帝国の軍国主義時代、
生命は「人の命は鴻毛より軽し」として粗末にされた。
この考えが、現在の経営者たちにも通底している。
人を人とも思わなかった、これまでの経営者の倫理観が問われている。
「フクシマ」の「原発事故の本質」は、生命の尊厳の軽視にほかならない。
また、労組の使命と倫理観も問われている。
原発事故は、大地を汚し、海を汚した犯罪的現象だ。
その事故の処理も満足にできていない。
それにもかかわらず、再稼働を急ぐ安倍晋三内閣。
水木さんは、深い悲しみと落胆の念を抱きつつ、
亡くなったのではないか。
『週刊金曜日2015年12月11日号』